長崎地方裁判所 昭和33年(む)1号 判決 1958年2月24日
請求者 藤田薫
★ 決定
(請求者・同代理人・弁護士氏名)(略)
右申立に係る、司法警察員のした押収処分に対する準抗告事件につき、当裁判所は次のように決定する。
主文
本件準抗告の申立は之を棄却する。
理由
請求者の別紙本件準抗告申立に対する判断
当裁判所が職権を以て検察官より取寄せた長崎県警察本部刑事部捜査第一課司法警察員警部原崎繁作成の捜索差押調書に依れば、右司法警察員原崎繁は被疑者馬場義治等に対する威力業務妨害被疑事件につき昭和三十三年一月十七日長崎地方裁判所裁判官上治清の発付した捜索差押許可状に基き、昭和三十三年一月十七日門司市清滝町門鉄局構内機関車労働組合門司支部事務所において請求者主張の物件を差押え押収したことが明かである。ところで、刑事訴訟法第四百三十条第二項の「司法警察職員の職務執行地」とは、「不服ある処分がなされた地」と解すべきであるから、本件押収処分の取消は前記不服ある押収処分が為された門司市を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所に請求されなければならない筋合である。そこで本件申立はその手続が規定に違反しているから、刑事訴訟法第四百三十二条第四百三十条第四百二十六条第一項に則り主文のとおり決定する。
(裁判官 藤原千尋)